アフターマーケット別冊
2017〜2018年版

自動車部品用品流通
補修部品・用品流通の将来展望
<共販・部販会社要覧付>

B5判 184頁
3,000円+税(送料別)
(2017年9月29日発行)

 自動車は日々の生活と社会・経済活動に欠くことのできないものです。しかし、交通事故や環境問題は依然として大きな社会問題になっています。自動車は数万点に及ぶ部品で構成された機械であり、使用にともない、また時間の経過によって劣化・摩耗が進み、その構造や装置の性能が低下します。不要なトラブルを防ぎ、常に良好な状態で使用するためには、ユーザーが責任を持って常日頃から状態を把握し、適切に維持することが重要であり、点検整備の実施はユーザーの義務として法令でも規定されています。
 言うまでもありませんが、点検整備に際しては部品交換が必要になる場合があります。そのため、自動車メーカー各社は必要とされる部品を迅速に供給する体制を整え、供給性を向上するために日々改善に努めています。しかし、保有台数が右肩上がりから横ばいに転じ、平均車齢も伸び続ける中で、補修部品の供給性は向上どころか、維持することさえ難しくなっているのが実情です。今後、保有台数は減少に転じ、さらに自動ブレーキをはじめとする先進安全運転支援技術の普及によって、補修部品の需要は大きく減少することが見込まれます。その結果、特に需要の少ない過疎地においては「供給性を維持できない(他の地域と同じようには供給できない)」という問題が発生するでしょう。
 自動車メーカーは、販売した車両が使用済みになるまで、アフターサービスとして補修部品を供給する責任を負っています。そのため、少子高齢化や都市部への人口流出などによって、今後拡大が見込まれる「供給過疎地」の問題についても対策を検討しています。
 迅速な部品供給は「安心・安全なカーライフ」、ひいては「安心・安全な社会・経済」の根幹をなすと言っても過言ではありません。その部品供給が今、かつてないほどの大きな転換点に差しかかっています。
 部品業界のみならず、自動車業界に携わる方々が、本書を通じてその重要性に気づき、真剣に対策を考えていただければ幸いです。

【掲載項目】


自動車部品・用品流通のトピックス

メルセデス・ベンツ日本
メルセデスブランドを100%体感いただくために
純正部品の普及と供給サービス性の向上に注力

マツダ部品広島販売
販売会社に対する補修部品供給体制を強化
3便化でサービスの生産性向上をサポート

トヨタ部品大阪共販
トヨタ販売店の生産性向上をサポート
車検部品の台当たりセット供給を推進


部品物流改善
乗用車メーカー各社の取り組み

トヨタ自動車
整備着工に合わせてジャストインタイムで供給
エンジニアの生産性向上へ部品納期物流を推進

日産自動車
入出庫業務の技能伝承・改善を推進
トラブル防止へ高リスク部品のSOS改善

本田技研工業
部品物流の合理化・効率化をさらに推進
自動仕分け機で飛躍的に作業効率を向上

マツダ
世界中のお客様に満足いただける
サプライチェーンの構築へ改善推進

三菱自動車工業
部品センターのリニューアルを進行
部門横断の話し合いでB/Oを削減

SUBARU
米国のサービス体制強化へ部品デポを開設
太田納整センターの隣接地に用品倉庫建設

スズキ
広域部品センターを全国5カ所に配置
狙いは即納体制の強化によるCS向上

ダイハツ工業
B/O削減と在庫低減へ部品発注システムを改良
安全対策強化をはじめ労働環境の改善に注力


部品物流改善
大型車メーカー各社の取り組み

日野自動車
輸送の効率化で供給リードタイム短縮
グローバル補修部品供給体制も拡充

いすゞ自動車
「常備在庫制」の徹底と緊急性の高い部品の
店頭即納を強化し過去最高の即納率を達成

三菱ふそうトラック・バス
新需要予測システムを開発し運用を開始
部品供給力の向上と倉庫の最適化を推進

UDトラックス
地区部品センターの活用を一層向上し
デイリーオーダー供給率を大幅アップ


自動車基礎データ


部品・用品販売会社(共販・部販)要覧