アフターマーケット別冊
2016年版
機械工具ハンドブック

整備の現場から…!?

<企業要覧付>

B5判 152頁
2,500円+税(送料別)
(2015年11月30日発行)

2015年11月30日発行

日本自動車整備振興会連合会がまとめた2014年度版「自動車整備白書」によると、2013年度の総整備売上高は前年度比1.8%増の5兆5169億円となり、2年連続のプラス成長となりました。景気の好転と消費税率引上げ前の駆け込み需要が主因です。
一方で、2014年度の新車販売は前年度比6.9%減となり、駆け込み需要の反動で落ち込みました。反動減が出ることは増税前から指摘されてきたことなので、この結果は想定の範囲内と言えます。しかし、足下の2015年度上期(4〜9月)の状況を見ると、前年同期比5.8%減とさらに落ち込んでおり、もう想定の範囲内と言える状況にはありません。既に新車販売と連動するカー用品需要には、その影響が及んでいます。
それに対し、整備需要は保有台数が増加していることや、稼動好調のトラックの補修需要が高水準にあることから、底堅く推移していると思われます。ただし、板金塗装は「自動車保険料率改定」による影響が解消しておらず、衝突被害軽減ブレーキの装着拡大により、事故修理需要は一段と減少していることが懸念されます。
こうした中で発行する本書は、巻頭で自動車整備売上の動向を詳細に分析したうえで、各社の勝ち残り戦略をレポートしています。自動車ユーザーは少子化や若者の車離れ等により、今後は増えないことが見込まれます。一方で、高齢人口は増加の一途であり、少なくなる若年世代を確保しながら、増え続ける高齢世代への対応が求められています。また、運転免許保有者数が増える女性ユーザー対策も、忘れてはならないテーマです。
このような視点から、最近は店舗をバリアフリー設計とし、小さな子供連れの女性にも優しい店作りが始まっており、冒頭でその取り組みを紹介しています。
次に、集客という大きな課題に対し、「保険」や「フェースブック」を切り口に新規ユーザーを開拓するという新たな試みを展開している事業者の動きを追いました。
また、差別化が必要な時代に「環境」を全面に出してイメージアップを図ったり、乗用車から重機まであらゆる整備ニーズに対応する事業者の差別化戦略も取材しました。
事故修理需要の減少が現実の問題となった板金塗装工場についても、自社の特色や強みを打ち出すことで勝ち残りを目指す経営戦略を特集しています。
そのほか、特別企画として、一段と厳しい状況に立たされている自動車整備組合の現状と、本格的な世代交代期を迎えた整備業界における「事業承継の真実」を実際の事例を交えて掲載しました。

主な掲載項目

自動車整備市場の動向1
総整備売上高は1.8%増の5兆5169億円。全業態が増加し2年連続のプラス成長

自動車整備市場の動向2
車検整備売上高は1年・2年ともに増加。台数は微減も単価上昇で3年ぶりに回復

自動車整備市場の動向3
車検台数は0.6%減で3年連続減少。持込が苦戦、認証の減少率が特に高い

自動車整備市場の動向4
車検単価は貨物車等の「1年車検」の大幅上昇で6万5551円まで回復

自動車整備市場の動向5
専業の売上高が市場の成長を上回る。小から大規模工場まで売上高が増加

自動車整備市場の動向6
10台に1台がハイブリッド車の時代。保有と車検台数は緩やかな減少を予想



整備工場の勝ち残り戦略

富田オートサービス
工場を一望できる来店型工場を実現
将来を見据えて新卒者を積極採用!

三善自動車工業
年中無休対応と24時間RSを実施
店舗を改築し「人に優しい店」を実現

三春自動車工業
最高の笑顔での“おもてなし”と
入りやすく居心地の良い店を目指す

西山自動車
新時代に合致する来店型店舗を開設
独自の車販ネットワーク展開を推進

柳沢モータース
保険代理店による商圏拡大戦略を推進
保険を切り口にして自動車事業を拡大

日進モータース商会
フェースブックで積極的に情報発信
アイパッドで業務のIT化を推進!

丸太自動車整備
スキャンツールと排気ガステスタを活用
「OBD診断」の車検メニューを展開

奈良自動車工業
あなたの愛車とあなたの地球に
安心を!「くるま環境創造企業」へ

隼人自動車工業
二輪車から重機整備、ボディ架装まで
オンリーワン企業としてニーズを掴む

小浜自動車工業
新サービスを導入しお客様との「接点
拡大」と「接客の質」の向上に取組む

中西自動車
限定された商圏でどう生きていくか
新規事業を展開し商圏拡大を図る!

ライフサポート大分
車検事業に参入し5年で1800台強
戦略的粗利設定で高点検入庫率を確保

組合事業の活路
組合員数の減少による車検入庫減が続く中で
車検台数を二桁以上伸ばしている組合もある

カーセンター足柄協同組合
地域における「車の総合病院」を目指す
車検・板金・RSを柱に洗車で間口を拡大



板金塗装工場の勝ち残り戦略

Ts.オオタニ津島店
サービス業としての基本活動を徹底
キズ補修の「超お急ぎ修理」を開始

三和ボディーショップ
輸入車メーカー認定板金塗装工場
「設備投資」と「法令遵守」を徹底

みさち商会
自社の強みである板金塗装を中心に
車業界のプロに選ばれる技術を提供

日本自動車板金塗装協会
板金塗装の品質を「技術と心」で守る
技術を向上させ安心の板金塗装を提供



整備工場の事業承継の真実

事業承継の真実
整備工場経営者の4人に1人が「廃業」の意向
「後継者問題」と「事業承継」の真実に迫る

事例?
娘婿として次期後継含みで入社するが
義父は早々に引退し後事を託される

事例?
父が実権を手放さずに仲違いするも
今は父の顔を立てることで円満経営

事例?
社長にしてくれた父に感謝の気持ち
会社経営は両親との「トロイカ体制」

事例?
父が急逝し家業を継ぐことになるが
工場長との関係が築けず苦慮する毎日

事例?
息子が不意に後を継ぐことになり喜ぶが
「号令型経営」で社員との確執が表面化

事例?
実家の修理職人とそりが合わず家を出る
自ら整備工場を創業して自分の道を歩む

事例?
古参社員と経営方針をめぐって衝突
古参の退職に伴い中堅が奮起し活発化

事例?
体調不良を機に息子にバトンを渡すが
業績不振と社員統率のため復帰を決意

事例?
父の急逝により急遽社長に就任するが
顧客との取引が継続できず廃業の危機


企業要覧