B5判 160頁
3,000円+税(送料別)
(2019年11月29日発行)
「自動車分解整備業実態調査」によると、2017年度の総整備売上高は前年度比0.8%増の5兆5295億円となり、2年連続で増加しました。
2017年度は景気が緩やかな回復基調にあり、家計支出による自動車整備費の増加など、前年とほぼ同じ状況が続きました。しかし、作業分野別に見ると「車体整備」は5年連続の減少となり、決して市場環境は明るいとは言えません。
本書はこれまで、冒頭で整備市場の動向を売上面から分析し、それを踏まえた上で整備工場が目指すべき方向性を示してきましたが、今回は「特定整備制度」という自動車整備事業の根幹に関わる新制度をトップに掲載しました。
次に、取り上げたのは「人材」問題です。自動車整備士を目指す若者の減少により、今後も整備工場として存続するためには「人材」の確保が最重要課題という問題意識からです。特に整備士の「労働環境の改善」と「外国人材の活用」に焦点を当てました。
続いて特集したのは「マイカーリース」の現況です。リースは車販の強化とともに「メンテナンス付き」とすることで整備需要も囲い込める商品であり、整備事業者向けにチェーン展開している各社の戦略を取材しました。
整備需要の確保策としては「輸入車整備」と「福祉車両整備」をピックアップしました。技術を活かした事業展開をしたい整備事業者にとって、この領域は小規模工場でもスペシャリストとして活路が開けます。
また、「整備組合」の活路も取り上げました。組合事業は1995年の道路運送車両法改正以降、厳しい状況にありますが、特定整備の創設を好機として「地域のテクニカルセンター」としての復権を目指す動きを紹介します。
車体整備市場は事故の減少により需要が減少していますが、こうした時だからこそ、他社との差別化を図り生き残りを目指す組織や事業者の動きを追いました。
巻末には、「自動車整備白書」を独自の視点で分析した整備市場の実態と、機械工具各社の企業要覧を収録しました。
掲載項目
「特定整備」の方向性が決まる

「特定整備」の方向性が決まる
特定整備の内容と新点検・整備基準
特定整備を事業にどう位置付けるか

・特定整備の対象作業
・エーミング機能に関する整理
・認証のパターン
・構内外注の扱いについて
・認証基準(設備)
・設備の共用
・人材の見直し
・認証基準(従業員)
・点検整備に必要な技術上の情報の提供
・点検基準の見直し
・経過措置
・今後の指定自動車整備工場のあり方


「人材」確保は最重要課題

「人材」確保は最重要課題
労働条件の改善なくして人材確保は困難
「月7日以上休日」をどう実現するか?!

「人材」確保は最重要課題
「外国人材」の重要性が一段と高まる
技能実習生、特定技能1号、留学生が活躍

坂井モーター
技能実習生を現地で教育し早期戦力化
“稼げる”体制作りが外国人材確保のカギ

ジョイカルジャパン
整備工場に合う外国人材を加盟店に紹介


活況を呈す「マイカーリース」

活況を呈す「マイカーリース」
参入業者増で認知度が向上し販売が増加
サブスクや新サービス登場で市場は拡大

オートコミュニケーションズ
残価設定ローンからマイカーリースまで
実店舗での実践ノウハウの提供が強み

カーベル
「ナンバーワン・セット」「まるっと1」
マイカーリースが車販のメイン商品に!

ジョイカルジャパン
「セブンマックス」を主体に集客を図り
商機を逃さない商品提案で販売を拡大!

カーコンビ二倶楽部
車が自分のものになる残価0円で差別化
カーコン加盟店以外の新規加盟が増加

西自動車商会
5万件以上の商談で培ったノウハウが強み
累計販売台数は3万5千台を超える!

ロートピア
マイカーリースに「延長保証」を付帯!
整備重視のメンテナンス充実プランも用意

マイカーリースの保有動向
保有台数は5年連続で増加し30万台突破
参入業者の増加で市場はさらに拡大へ


「輸入車整備」の活路

「輸入車整備」の活路
保有台数増加、初乗りユーザーの増加で
整備需要が旺盛な今なら事業が成り立つ

山内ガレージ
「旧車」を得意分野として輸入車を獲得
密な連絡と丁寧な説明で信頼を得る!

ユアサ自動車
輸入車整備は「収益性」の高いビジネス
専門店を出店し入庫・売上が順調に伸長

Dr.輸入車
輸入車整備の集客策と技術強化策を展開
安心と信頼の「整備工場認定制度」を創設

日本輸入車整備推進協会
車がつながる時代に輸入車向け後付け
「コネクテッドサービス」を積極推進


「福祉車両」の活路

「福祉車両」の活路
超高齢化社会における自動車ビジネス
アフマは「福祉車両」と「後付用品」

全国総合福祉車両協議会
福祉車両レンタカーの共同事業を開始
福祉施設運転者向け講習で関係を深める

「福祉車両」の活路
メーカーが考える「福祉車両」の将来像
より便利な乗りやすい車両開発が必須


「整備組合」の活路

「整備組合」の活路
車検台数は底打ちも、組合員数は減少
岐路に立つ協業・協同組合の経営状況

十日町車検センター協業組合
業務の効率化と営業強化で車検台数増加
安心の車検整備(OBD診断)で信頼獲得

協業組合太陽自動車工業
「総合自動車整備企業」を目指す!
積極的な投資と人材育成で未来を生きる


「車体整備」の活路

「車体整備」の活路
修理需要の減少と作業の高度化により
車体整備工場は「選別」される時代に

BSサミット事業協同組合
全組合員で「特定整備認証」を目指す
エーミング作業の履歴管理と証拠を確立

マイスターズ
海外人材確保と海外市場への進出を企図
技術者養成と人材確保により課題を解決

ビッグモーター
工場数を倍増し売上を300億円超に!
業界のリーディングカンパニーを目指す

よろず自動車
大手にもひけをとらない技術と設備で
お客様の安全を第一に信頼の修理を実施

ジェットストローク
「ラバーディップ」などの新商材で
次世代の車体整備工場経営を支援!

DRPネットワーク
需要減により入庫誘導台数が初の減少
保険修理のシェア拡大で巻き返しを図る


自動車整備市場の実態

自動車整備市場の実態1
総整備売上高は0.8%増の5兆5295億円
事故整備以外の作業分野が2年連続増加

自動車整備市場の実態2
1年・2年車検とも入庫台数は減少も
単価上昇で車検売上は2年連続で増加

自動車整備市場の実態3
車検台数は3249万台で3年ぶりに減少
認証工場とユーザー車検の退潮が鮮明に

自動車整備市場の実態4
車検整備単価は2年連続で上昇!
2年車検・1年車検ともやや持ち直す

自動車整備市場の実態5
専業の整備売上が2000年代の最低に
中・大規模は堅調も小規模工場は漸減

自動車整備市場の実態6
総整備売上高DIは2期連続で上昇するも
今期は車検台数減で業績悪化が懸念される

自動車整備市場の実態7
いよいよ整備工場減少時代の到来か
工員不足・後継者難の廃業が増加!

自動車整備市場「当面の予測」
保有減少により車検減少が予想される
人口減・車離れで国内人材確保は困難